それは阪大サッカー部の歴史上最も残酷な結末と言っても過言ではないだろう。
2016年度2部B-2部A入替戦対天理大学、私学の強豪を相手に前半30分で4ー0と誰もが阪大の2部A昇格を疑わなかったであろう状況から一転、5失点逆転負けを喫した。
そのピッチで僕は大きなミスを犯した。
中学からゴールキーパーを始めて以来、僕はゴールキーパーとともに歩んできた。
中学も高校もゴールキーパーの基礎を教えてくれる先輩がいて、顧問の先生からサッカーに対する熱い気持ちと人間としての在り方について学ぶことのできる環境にあった。
しかし高校生の時、自分の代になるまでAチームはおろかAサブチームにすら入れず、自分の代になっても練習試合での交代に納得がいかずキーグロとユニフォームを投げ捨てたことによりキーグロとユニフォームの使用を禁止されるという高校生あるまじき事態に陥っていた。(のちに解禁)
そして僕のハイボールの処理のミスで高校サッカーを終えることとなった。
大学に入り1回生の4月からリーグ戦に起用してもらっていたが、その年2014年度2部B-3部入替戦に1ー2で敗れ3部リーグに降格となった。
幸いにも2015年度3部リーグで優勝し1年で2部Bリーグに復帰を果たし、2016年2部Aとの入替戦まで進むことができたが、結果は先に述べたとおりである。
この僕のゴールキーパー人生を振り返ったとき、思うことはもちろんたくさんあるが、その全ての根底にあるのは「ミスを犯すことに対して納得されない人間」でしかなかった自分という存在であろう。
高校の最後の試合も入替戦の天理戦も、自分のミスだけが敗因というのはチームスポーツであるサッカーを軽視していることになるし、そのミスも「キーパーはそういうポジションだ」と片づけてしまえばそれまでだろう。
しかし、そのミスに対しての周りの態度を見たとき、自分の人間性の問題について考えなければならないと感じた。
謙虚さの欠如、ひとつひとつの態度、そういった部分が顕著に結果として表れる、それこそがゴールキーパー、ゴールの前に立つということなのかもしれない。
しかし、そのミスに対しての周りの態度を見たとき、自分の人間性の問題について考えなければならないと感じた。
謙虚さの欠如、ひとつひとつの態度、そういった部分が顕著に結果として表れる、それこそがゴールキーパー、ゴールの前に立つということなのかもしれない。
幸いにもゴールキーパーが映し出してくれた甘い自分にサッカー人生最後の1年を迎える前に目をそらさずに向かうことができた。
あとはこの失敗、後悔をこの1年でどのようにプラスに変えていくことができるか。サッカーで得た経験をサッカーで還元できるのは残りの人生の中でもこの1年だけである。
14年間サッカーをしてきて、ゴールキーパーも今年で9年目となる。それなりに練習をして技術を身に着けてきたのだから、最後はその技術を発揮し去年逃した「2部A昇格」を、そして主将西山を中心に掲げた「2部B無敗優勝」という目標を達成する力になりたい。
新入生へ
新歓シーズンとのことで、入部を決めている人やまだ迷っている人にも、読んでいただければ光栄です。
自分が新入生のときも、上回生として新歓をしているときも「サッカーはしたいけど部活にするか迷っている」や「高校までサッカー部だったけど大学で違うスポーツをするのもありかなー」という声をよく聞いた。
それは新入生なら至極当然の感情である。(むしろ僕のように他の新歓にはほぼ行かず4月中に入部届を出す方がよっぽど異端であると思う)
だから僕はサッカー部についてひと通り説明をした後、必ず「最終的には自分のやりたいことを選択してな」と言うようにしている。
いやいやキーパー少ないのに何をのんきなことをしているんだ、と怒られそうだが、僕としては大学生になってやりたいことがたくさんある中でサッカー部を選んでくれることに意味があると思っている。
(この理由について書くと長くなってしまうのでなんとなくわかってもらえれば幸いです)
そこで、サッカー部に入るか否かで迷っている新入生にひとつ考えてもらいたいことがある。
それは「今までの自分のサッカー人生に後悔はないか」ということである。
中高とサッカー部で厳しい中過ごしてきて、もう十分と考えるのも分からなくはない。
でもどうだろうか。今後の長い人生の中で本気でサッカーをできるチャンスは実はこの大学が最後ではなかろうか。
でもどうだろうか。今後の長い人生の中で本気でサッカーをできるチャンスは実はこの大学が最後ではなかろうか。
特にこの阪大サッカー部は高校の顧問の先生のような人は存在しておらず、勝つも負けるも、組織を良くするも悪くするも全て自分たちに権限がある。
そして誇張なしで本当に全員の目の前にチャンスがある。それは試合に出るというチャンスだけでなく、チームの方針やサッカーについての意見など、勝利から逆算して皆で議論し部活を作り上げることができるチャンスという意味でもある。
先にも述べたが、サッカーにおける後悔や経験をサッカーで還元できるのはこの大学生活が最後である。
幸いにもサッカーを本気でしかも人工芝でできる環境は整っている。
一人でも多くの新入生が入部してくれることを願っています。
そして誇張なしで本当に全員の目の前にチャンスがある。それは試合に出るというチャンスだけでなく、チームの方針やサッカーについての意見など、勝利から逆算して皆で議論し部活を作り上げることができるチャンスという意味でもある。
先にも述べたが、サッカーにおける後悔や経験をサッカーで還元できるのはこの大学生活が最後である。
幸いにもサッカーを本気でしかも人工芝でできる環境は整っている。
一人でも多くの新入生が入部してくれることを願っています。
ゴールキーパーとして大切なことはもちろんたくさんあるのだが、その中でも僕は2つのことを特に意識している。
それは「頭で守備をする」こと、そして「準備」である。
1つ目の「頭で守備をする」ということについて。
一応言っておくと、手を使わずにキーパーをするという意味ではない。
これは守備の理屈を理解するということである。
ゴールキーパーというポジションの特性上、相手のプレーに合わせてプレーをすることがほとんどである。
しかし、考え方1つで相手のプレーの選択肢を大きく減らすことができる。
ポジショニングを例に挙げる。
サッカーのゴールは横7.32m、高さ2.44mである。しかし、この大きさのゴールを守らなければならないのは全てのプレーの中でPKの時だけなのである。
どういうことなのか。簡単に言えば前に出れば横の守備範囲が狭くなるということである。
図1を見てもらえれば①地点と②地点の横の守備範囲の差は一目瞭然であろう。
どういうことなのか。簡単に言えば前に出れば横の守備範囲が狭くなるということである。
図1を見てもらえれば①地点と②地点の横の守備範囲の差は一目瞭然であろう。
図1 |
次に図2と図3、これらは立つ位置は同じだが体の向きが違う。そしてその体の向きにより図2に比べ図3の方が守備範囲が狭いといえる。(手書きなので正確なポジショニングからはズレてしまっています)
図で説明してみたが、このことを言葉で説明すると「ボールに正対する」となる。
図2 |
図3 |
実際にフォワード目線で見てみるとこの体の向きで見え方が変わるのがよくわかる。
これらをまとめると、キーパーは立ち位置と体の向きを常に正しくできれば、自分が守るべきゴールは7.32×2.44のゴールより小さいものになる。すなわち相手のシュートコースを狭めることができるといえる。
(もちろん、前に出ればその分シュートも早く自分のところへ到達し、また頭上のコースを空けることになるため、自分の特徴に合わせて変えていく必要はある)
そして、「この正しい立ち位置と体の向きをとるためにはどのような能力が必要なのだろうか。」「その能力を身に着けるためにはどのような練習が必要なのだろうか。」こう考えていけば練習は自ずと充実したものになっていくだろう。
他のプレーに関しても同様に理屈を理解し、それを実行するために必要な能力を揃えていく、これこそが上手くなるということだと僕は思っている。
(もちろん、前に出ればその分シュートも早く自分のところへ到達し、また頭上のコースを空けることになるため、自分の特徴に合わせて変えていく必要はある)
そして、「この正しい立ち位置と体の向きをとるためにはどのような能力が必要なのだろうか。」「その能力を身に着けるためにはどのような練習が必要なのだろうか。」こう考えていけば練習は自ずと充実したものになっていくだろう。
他のプレーに関しても同様に理屈を理解し、それを実行するために必要な能力を揃えていく、これこそが上手くなるということだと僕は思っている。
ただし、強くなるためにはこれだけでは不十分である。自分の中の基準が2部Bレベルのうちは2部Aに昇格したとしてもそこで闘うことはできない。これに関しては僕の高校時代のチームメイトで東京大学ア式蹴球部の工藤航君が東大の部員ブログにて綴っていたので、もしよければそちらも読んでみて貰えれば幸いです。
→feelings「大切なことはすべてサッカーが教えてくれた」
2つ目の「準備」について。
先ほど例に挙げたポジショニングの理屈を理解したとする。
しかし、実際は状況は絶えず変化する。
仮に正しいポジションをとれたとしてもシュートが飛んできてからでは手遅れである。
そこで重要になってくるのが「準備」である。
現代のサッカーではキーパーにリベロとしての役割も求められていることは、多くの方がご存じであると思う。
しかしこのリベロの働きを意識するがあまり、肝心のゴールを空けてしまっては元も子もない。(天理戦のミスはこのことが抜けていたから生まれた)
「シュートが飛んでくるところから逆算して、自分が正しいポジションをとれる範囲でリベロの仕事をする。」
「ボールが動いているときも、常に正しいポジションに正しい姿勢で立ち続ける。」
こういった頭の整理こそが「準備」であると僕は思っている。
では頭の整理、思考回路の整理はいつするのか。
答えは簡単だろう。「練習」である。
このブログの最初の話で「ミスを犯すことに対して納得されない人間」というワードを出したのだが、正直自分が365日いつも謙虚さを欠いているとは思っていない。もし仮にそうだとしたらおそらく2部Bリーグで闘うことなど到底不可能であろう。ただ大きなミスを犯すこととこの「準備」が不足していることは、少なくとも僕にとっては密接に関係している。そして「準備」を怠っているときというのは、だいたい謙虚さを欠いている。
大学生にもなってまだそんな低レベルなことを言っているのかと思われるかもしれないが、これが今の自分の現状であることに間違いはない。サッカー人生の集大成としてこの1年を謙虚に過ごしたい。
最後に、今阪大サッカー部全体のメンタリティは限りなく2部Aに近い状態であると感じている。しかし、2部Bリーグの恐ろしさを忘れてしまってはならない。あの3部降格の瞬間をグラウンドで迎えたのももうこのチームで僕1人になってしまった。正直今の練習の雰囲気からは2部B無敗優勝の気配を感じることはできない。リーグ開幕まで残り6日。就活や院試、新歓で浮足立ってしまいがちだが、僕ら4回生は1日たりとも無駄にできないはずである。負けてからでは遅い。気を引き締めていこう。
ここまで読んでくださった方々へ、長々とすみませんでした。そしてありがとうございました。
気が付いたら実験レポートみたいになっていた。理系の闇である。
4回生 檜枝賢護
→feelings「大切なことはすべてサッカーが教えてくれた」
2つ目の「準備」について。
先ほど例に挙げたポジショニングの理屈を理解したとする。
しかし、実際は状況は絶えず変化する。
仮に正しいポジションをとれたとしてもシュートが飛んできてからでは手遅れである。
そこで重要になってくるのが「準備」である。
現代のサッカーではキーパーにリベロとしての役割も求められていることは、多くの方がご存じであると思う。
しかしこのリベロの働きを意識するがあまり、肝心のゴールを空けてしまっては元も子もない。(天理戦のミスはこのことが抜けていたから生まれた)
「シュートが飛んでくるところから逆算して、自分が正しいポジションをとれる範囲でリベロの仕事をする。」
「ボールが動いているときも、常に正しいポジションに正しい姿勢で立ち続ける。」
こういった頭の整理こそが「準備」であると僕は思っている。
では頭の整理、思考回路の整理はいつするのか。
答えは簡単だろう。「練習」である。
このブログの最初の話で「ミスを犯すことに対して納得されない人間」というワードを出したのだが、正直自分が365日いつも謙虚さを欠いているとは思っていない。もし仮にそうだとしたらおそらく2部Bリーグで闘うことなど到底不可能であろう。ただ大きなミスを犯すこととこの「準備」が不足していることは、少なくとも僕にとっては密接に関係している。そして「準備」を怠っているときというのは、だいたい謙虚さを欠いている。
大学生にもなってまだそんな低レベルなことを言っているのかと思われるかもしれないが、これが今の自分の現状であることに間違いはない。サッカー人生の集大成としてこの1年を謙虚に過ごしたい。
最後に、今阪大サッカー部全体のメンタリティは限りなく2部Aに近い状態であると感じている。しかし、2部Bリーグの恐ろしさを忘れてしまってはならない。あの3部降格の瞬間をグラウンドで迎えたのももうこのチームで僕1人になってしまった。正直今の練習の雰囲気からは2部B無敗優勝の気配を感じることはできない。リーグ開幕まで残り6日。就活や院試、新歓で浮足立ってしまいがちだが、僕ら4回生は1日たりとも無駄にできないはずである。負けてからでは遅い。気を引き締めていこう。
ここまで読んでくださった方々へ、長々とすみませんでした。そしてありがとうございました。
気が付いたら実験レポートみたいになっていた。理系の闇である。
4回生 檜枝賢護
0 件のコメント:
コメントを投稿