2017年4月27日木曜日

集大成 4年 岡田大知

サッカー部に入部してから早くも3年が過ぎた。数えてみると浪人の1年を挟んだ15年間をサッカーに費やしてきて、サッカーをしていない期間の方が短くなってしまっている。この15年間は決して良いことばかりでは無かった。後悔することもたくさんあった。けれど、成功した体験も失敗した体験も自分を成長させるきっかけになったし、後悔した体験が今を頑張る原動力になっている。

そんな中、ここまで続けてこられたのは決して自分1人の力のためでは無い。それは、共に切磋琢磨し、競い合った仲間がいて、サッカーを教えてくれた人達がいて、環境を整えてくれた両親がいたためである。そのような人達と縁があった、その事が自分の人生で1番幸せな事だったと思っている。


それっぽい理由はいくつかあるものの、結局は何となく導かれるようにして入ったサッカー部。いつの間にか最上級生になっていて、サッカーに本気で取り組めるのも今年が最後。今年1年が間違いなく自分のサッカー人生の「集大成」となる。ただ、気負いすぎて上手くいった記憶はない。だからあまり焦り過ぎることなく、やり残す事がないように1日1日を大切にしていこうと思う。
最後になりましたがサッカー部関係者の方々、OBの方々、いつも応援、ご支援して下さりありがとうございます。

2017年4月24日月曜日

「そち」と愉快な仲間たち 4年 越智悠

最近、阪大サッカー部内で僕を「そち」呼ばわりする風潮がある。「そち」というのは「あなた」と言う意味ではない。

小学校から高校まで、学校と部活を含め、無遅刻無欠席という輝かしい記録を何度も樹立してきた。そんな僕からは想像も出来ない失態を、この3年間繰り返してきた。今まで何度遅刻したか正確には覚えていないが、その罰金が阪大サッカー部の財政を支えていることは確かな事実である。

阪大サッカー部の黒幕である辻隆道は、こんな僕を「粗相をした越智」略して「そち」と呼んだ。これがまさに「そち」の語源にあたる。

信用されないかもしれないが、僕は本当に反省している。反省するようになったきっかけの1つが、規律係就任である。僕たち4回生は最高学年になるにあたって、今までにない組織のあり方に挑戦している。主将、副主将、主務などの主要な役割に加え、部をより良くしようと、規律係、広報係、社会貢献係、財務係を設けた。係の長を決めるにあたって、主将の西山が周囲の反対を押し切って、僕を規律係長に推薦してくれた。その意図は、最も規律を正されるべき人間を任命することにより、責任感を持たせ是正することであろう。他の係同様、この規律係はほとんど僕個人の人間的成長を促すものと言っても過言ではないと感じている。

僕たちは問題の多い代だ、と先輩方にもよく言われた。僕の遅刻も含め、様々な失態を犯してきた。僕たちの代の主将を決める時も、わざわざ西山のために長いミーティングをして真剣に話し合った。涙を流すやつもいた。元主務の山下が問題を起こした時も、何度もミーティングを開き、学年の連帯責任として15kmに及ぶ罰走を延々と走った。

このような個人の問題にも全員で向き合い、少しずつ改善してきたのが僕たち4回生である。部に対して建設的に真剣に向き合う選手が、これ程に多いのは4回生の長所であり、今までの(僕が知る限り)阪大サッカー部にない特性だと思っている。

お恥ずかしい話だが、僕は4回生のこういう部分をとても尊敬している。新しいことに挑戦する力。仲間への思いやり。サッカーに対する情熱。最高の仲間だと思っている。

阪大サッカー部に入って得たものは沢山ある。日々切磋琢磨し、サッカーはもちろん上手くなる。人間的にも学ぶことは多い。充実した日々を過ごし、思い出せない程の思い出もできる。でも僕が一番の財産だと思うのは、「仲間」である。サッカー部で得られるもののほとんどが「仲間」の存在ありきだと思う。

感謝の言葉を述べるにはまだ早いので、引退までの日々をこの仲間と全力で駆け抜けたいと思う。

2017年4月21日金曜日

僕なりのオレンジ 4年 藤井琢也

この部員ブログは、開設以来、多くの方々から好評を頂いており、最近は閲覧数が1000近くまで上がってきている。



その中に大手企業の人事採用担当の方がいても不思議ではないので真面目な記事を書こうと思う。










みなさんはオレンジデイズというドラマをご存知だろうか。




オレンジデイズとは2004年に放送されたテレビドラマで、大学生活を題材にした青春ストーリーである。

当時僕は小学4年生であっだが、このオレンジデイズはドラマ嫌いだった僕のバイアスという名のゴールキーパーの頭上を越え、心のゴールネットに強烈に突き刺さったのを今でも鮮明に覚えている。





オレンジデイズが何かがわからない人は1度Wikipediaで調べてからこの記事を読んでほしい。



オレンジデイズは僕にとって理想の大学生活だった。










この新歓シーズン、多くの新入生たちもこのオレンジデイズの登場人物たちが繰り広げたような「オレンジな日々」を夢見て期待に胸を膨らませていることだろう。


実際に僕もそうだった。


しかし、僕は理系で体育会サッカー部として活動している。


個人的に「オレンジデイズ」と「理系体育会学生の日常」は対義語の関係にあると思っており、僕はそれほど憧れのオレンジデイズとは程遠い位置にいる人間だ。


大学キャンパス内でバイオリンをひいている柴咲コウもいなければ、部活や学科内に成宮くんのようなイケメンおしゃれ男子もいない。



そもそも僕が妻夫木ではないのだ。




 理想と現実には残酷なほどにギャップがある。


オレンジデイズに出てくるような「オレンジな日々」を送ることなんて可能なのであろうか。

そんな生活を送れる人など存在するのか。

「このドラマはフィクションです。」というあの言葉はノンフィクションなのか。


僕は、この場を借りてみんなの理想の大学生活とも言える「オレンジデイズ」の実現可能性について考察していこうと思う。


この考察を通して、多くの新入生の進路を決めることの手助けとなれることを願う。


早速考察に入ろう。



まあ模範的なオレンジデイズな人はこんな感じ。


21歳男性、文学部心理学科社会心理学専攻4年。世田谷区池尻在住。大学1年の妹と、3歳年上の彼女・真帆(小西真奈美)がいる。キャンパス内でバイオリンを弾いていた耳の聞こえない女の子沙絵(柴咲コウ)を見かけ、さらに手話が堪能であることから交流が始まる。さらにその後、沙絵を含めた大学の仲間5人とオレンジの会を結成。5人はオレンジのノートを通じて絆を深めていく。


では、次に僕の周りにいる阪大生を見て、具体的な事例からその実現可能性を考察していこう。


僕の学科の友達の事例。


Iくんの場合。

高校時代は陸上の長距離ランナーであった彼だか、大学生活では「なにか新しいことがしたい!」とダブルダッチサークルへ入団。日々練習に励んでいたが、だんだんモチベーションを保つことが難しくなり5人いた同期は次々とやめていき結局彼自身も1年足らずで退団。成績の悪さから研究室を選ぶことができず、現在は最もブラックといわれる研究室に所属し、日々、院試勉強に励んでいる。



だいぶちがう。



Kくんの場合

高校時代はサッカー部に所属していた彼は大学でもサッカーサークルに所属。高校時代は俊敏な動きと柔らかいボールタッチでチームの中心選手であった彼だが、誘惑がはびこるこの大学生活で己を律することができず、現在はチャリティーマッチでたまにサッカーするロナウドのようなプレースタイルと体型に。



違う。



サッカー部の友達の事例も見てみよう。

Oくんの場合

小学生からサッカー一筋の彼は大学でも迷わずサッカー部に入部。誰よりも早くに入部し熱い気持ちをもってサッカーに取り組んでいる。一方で、容姿端麗で歌唱力抜群な越智は女性からの第一印象は抜群。ただ、第二印象を良くすることが苦手なのか2回以上デートした女性からの好感度はあまり良くなく、大学生活でフラれた女性の数は20を越える。


惜しさはある。




なんだか他人のあら探しをしているような気分になったのでこの辺りで止めておこう。


この他にも僕の周りにいる多くの人たちを考えてみたが、ドラマのようなオレンジな日々を送っている人はいないように感じる。やはりオレンジデイズを送ることは難しいのか。



ただ、彼らは皆しょっぱい大学生活を送っているわけではなく、自分の立ち位置で自分なりに充実した大学生活を送っているようにも思う。


例えば、越智なら、彼は第二印象こそ悪いものの、部活内では数少ないボランチとして、また最高学年として常にチームのことを考えてくれており、いまやチームには欠かせない存在となっている。




重要なことを忘れていた。




オレンジデイズってなに。





そもそも「オレンジデイズ」の定義は何なのか。


オレンジデイズの定義が曖昧なまま考察に入ってしまった。


あのドラマはなぜ「オレンジデイズ」というタイトルなのか。


夕方、昼と夜の境目で揺れる太陽の「オレンジ色」が学生と社会人の境目でもがきながら生きていく学生たちの日々を象徴し、その青春の甘酸っぱさをさらに「オレンジ」がもつ柑橘類特有の甘酸っぱさと重ねているのである。


タイトルの由来から考えると
「社会人になる前の準備期間として多くのことを経験し、学び、悩み、考えながら甘酸っぱく成長していく学生生活」こそがオレンジデイズと定義できるのかもしれない。


この定義でとらえるなら、自分の動き方しだいで、いくらでも日々をオレンジ色に染めることができる。「自分なりのオレンジデイズ」を得られる機会は誰しもに平等に与えられているのだ。


そういった意味では僕の周りの友人たち、少なくもサッカー部のみんなはオレンジデイズを送れていると感じる。


なにも、「男女数人でキャンプに向かい、その車中で皆で上海ハニーを歌って盛り上がる」ような学生生活だけがオレンジデイズではないのだ。





部活、サークル、バイト


今、新入生の前には無限の選択肢が用意されている。

その中に決して正解の選択肢などはなく、大事なことはそこで何を学ぶか、何を考えて甘酸っぱく成長していくかなのだ。

だからこそ新入生には4年後よかったと思える学生生活、多くを学び成長したと思えるような学生生活を全うしてほしい。

もし、そのフィールドとして「体育会サッカー部」を選んでくれるならこれ以上に嬉しいことはない。サッカー部は間違いなく、それを実現できるフィールドである。僕たちと共に2部A昇格にむけて全力でがんばろう。


この4年間を、素晴らしく充実感に溢れた甘酸っぱいオレンジデイズにできるかどうか、全ては自分次第だったのだ。



結論

・阪大において厳密にドラマのようなオレンジデイズを送れる可能性は限りなく0に近い。

・オレンジデイズが伝えたかった「オレンジな日々」の意味を解釈し、「自分なりのオレンジデイズ」を作っていくことは十分に可能。


充実した学生生活を!!


2017年4月17日月曜日

阪大サッカー部における「挑戦と創造」追体験ブログ 4年 辻隆道

こんにちは、とうとう4回生になった辻隆道です。
日々の部活においては、いわれのないことまで僕のせいにされ、すっかり腹黒いキャラが定着しているが、特に気にしてはいない。
なぜなら、僕は自分の性格の良さをウリにしたことはないからである。
また、すっかりB専キャラも定着してしまっているが、特に気にしてはいない。
なぜなら、別にB「専」ではないからである。

あ、ながながと世間話をすみません。このように、サッカー部とは非常に多種多様なキャラの部員が集まっている、とっても楽しい空間です。
新入生の皆さん、ちょっとでも気になったら是非練習に来てみてね。


僕は一回生の5月の終わりという、比較的遅い時期に入部しました。
サッカー部の新歓に参加したことも、ビラをもらったこともなく、当然練習に参加したこともなく、入る前は「しょせん阪大やし、そんなに強くはないんやろな」って思ってました。
そんな僕の甘ったれた気持ちは、化け物達(先輩達すみません)によって粉砕されました。
上手いしでかいし怖いし、最初はかなりビビりました。
もしかしたら僕たち現4回生も、新入生からしたらそう思われてしまうようになってるのかもしれません。
けど、4回生になって気付いたことがあります。
本気なだけです。
部活は楽しいですが、やっぱり公式戦の結果というものは自分たちの代の結果として残り続けるものだし、正直リーグ戦が始まるのは怖いです。(これ書いてるのは開幕前です)
それに、自分のサッカー人生の本当の意味での集大成ということもあり、今年に対しての思い入れは言葉では言い表せません。
最近は練習していても、AチームBチーム関係なく、同期の目の色が変わっているのを感じます。
この気持ちはもしかしたら4回生にならないと分からないのかもしれませんが、サッカー部とはそうした熱い部員が今も昔も集まり続けている環境です。
「大学で新しいスポーツを始めよう!」「サークルで楽しく過ごそう!」と思う新入生が大多数なのはもちろん理解しています。最初は僕もそうでした。
正直サッカー部には初心者は基本的にいませんし、拘束時間も長いです。
けど、それでもサッカーを本気で頑張りたい、サッカーが上手くなりたい、サッカーが心から好きな仲間が欲しい、と思うのであれば、是非サッカー部に来てください。

長々とすみません。他のみんなの真面目すぎる投稿を見て自分は適当に書こうと思っていたのですが、つい真面目なところが出てしまいました。

最後に、OBの皆様、いつも暖かいご支援本当にありがとうございます。
僕も一年後にはOBという立場になりますが、その前に現役で最後一花咲かせられるよう皆と一緒に頑張りますので今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

2017年4月13日木曜日

「できる事」と「すべき事」 4年 中山 恭輔

毎年、どの季節においても僕は同じことを言われて生きてきました。
「おまえなんでそんな肌黒いん。」
僕が冬でも焦げている理由は、今までずっとサッカー漬けの日々を送ってきたからです。
(日焼けサロンには通っていません)
そんな僕が、大学でもサッカーを部活で続け、サッカーに埋め尽くされた日々の中で大事に思うようになったことは、
「できる事」と「すべき事」を考える
ということです。
自分が「できる事」は何なのか。
それは人それぞれで、
「誰よりも速く走れる」、「体を張った守備ができる」、「戦術への理解が高い」、「キックの精度が高い」、「チームをまとめる能力がある」、などなどサッカーにおいても様々な要素があり、練習をして成長する中で自分で身につけたり気づいたりするものだと思います。
自分の「できる事」をさらに強い武器にするために、努力をする。これは勝負の世界においては欠かせない事です。
では、自分が「すべき事」とはどういう意味か。これは目標としても課題としても捉える事ができます。
前者としては、「体を張った守備ができるから、相手のオフェンスに点を取らせない」、
「戦術への理解が高いから、誰よりもコーチングの声を出す」といったように、自分の「できる事」である強みを生かすこと、自分の役割を認識することとなります。
後者としては、「前線での守備の仕方がわからないから、戦術の理解を増やす」、「90分走りきる体力がないから、走り込みをする」
といったように、自分ができないことに対してどうすべきかという意味です。
「できる事」と「すべき事」をきちんと理解しなければ、真の自分の成長にはならず本気でサッカーをする意味がないと僕は考えます。ただなんとなく練習してただ能力だけが上がる、これではただサッカーをしていただけになってしまいます。
「できる事」と「すべき事」をきちんと理解してサッカーをすることで、「問題発見力」、「問題解決能力」、「役割認識力」といった社会に出てからも求められる能力が培われるはずです。
子供に対して本気の指導者は、第三者としてこれを気づかせてくれ、技術だけでなくサッカーを通して人間的に成長させる事を考えるのだと思います。
僕自身振り返って考えれば、中学生の時顧問の先生には常にこれらを気づかされ、成長させてもらっていました。

大阪大学体育会サッカー部には指導者がいないため、選手の自主性が求められます。
つまりサッカーにおいても組織の一員としても、自分の「できる事」と「すべき事」を自分で理解すること、仲間の「できる事」と「すべき事」を指摘することが求められる環境となっています。
大学でサッカー部に入って、確実に考える時間が増えました。一プレーヤーとして「できる事」と「すべき事」を考える、
サッカー部という組織の一人間として、チームのために「できる事」と「すべき事」を考える。
人生で最後の本気でサッカーをする4年間に、自分の成長にとってこんなにも魅力的な環境があることに、僕は幸せを感じます。
もちろん、自分で考える時間が増えるのは楽なことではありません。この3年間、僕自身何度もつまずき、考えても分からないことが何度もありました。しかし、そこに同じように悩む仲間がいたり、ヒントを与えてくれる仲間がいます。
僕に残された時間は後1年もありません。
その中でどれだけ自分の「できる事」と「すべき事」を考えて行動し、サッカープレーヤーとしても人間としても成長できるか。
妥協をしている時間はない。
考えることをやめ、努力を怠る時間はない。
このままでは、絶対に終わらない。

長々とした文章を最後までお読み頂きありがとうございました。
今週末からリーグ戦が開幕致します。
主将の掲げる「無敗優勝」のために、チーム一丸となって精進して参ります。
これからも日々皆様に支えられていることを念頭に置き、感謝の気持ちを忘れずに活動致します。
引き続き、阪大サッカー部のご支援ご声援を宜しくお願い致します。


2017年4月11日火曜日

ゴールの前に立つということ 4年 檜枝賢護

その笛が鳴った瞬間、僕は膝から崩れ落ちた━━━


それは阪大サッカー部の歴史上最も残酷な結末と言っても過言ではないだろう。
2016年度2部B-2部A入替戦対天理大学、私学の強豪を相手に前半30分で4ー0と誰もが阪大の2部A昇格を疑わなかったであろう状況から一転、5失点逆転負けを喫した。
そのピッチで僕は大きなミスを犯した。


中学からゴールキーパーを始めて以来、僕はゴールキーパーとともに歩んできた。
中学も高校もゴールキーパーの基礎を教えてくれる先輩がいて、顧問の先生からサッカーに対する熱い気持ちと人間としての在り方について学ぶことのできる環境にあった。
しかし高校生の時、自分の代になるまでAチームはおろかAサブチームにすら入れず、自分の代になっても練習試合での交代に納得がいかずキーグロとユニフォームを投げ捨てたことによりキーグロとユニフォームの使用を禁止されるという高校生あるまじき事態に陥っていた。(のちに解禁)
そして僕のハイボールの処理のミスで高校サッカーを終えることとなった。

大学に入り1回生の4月からリーグ戦に起用してもらっていたが、その年2014年度2部B-3部入替戦に1ー2で敗れ3部リーグに降格となった。
幸いにも2015年度3部リーグで優勝し1年で2部Bリーグに復帰を果たし、2016年2部Aとの入替戦まで進むことができたが、結果は先に述べたとおりである。

この僕のゴールキーパー人生を振り返ったとき、思うことはもちろんたくさんあるが、その全ての根底にあるのは「ミスを犯すことに対して納得されない人間」でしかなかった自分という存在であろう。

高校の最後の試合も入替戦の天理戦も、自分のミスだけが敗因というのはチームスポーツであるサッカーを軽視していることになるし、そのミスも「キーパーはそういうポジションだ」と片づけてしまえばそれまでだろう。
しかし、そのミスに対しての周りの態度を見たとき、自分の人間性の問題について考えなければならないと感じた。

謙虚さの欠如、ひとつひとつの態度、そういった部分が顕著に結果として表れる、それこそがゴールキーパー、ゴールの前に立つということなのかもしれない。

幸いにもゴールキーパーが映し出してくれた甘い自分にサッカー人生最後の1年を迎える前に目をそらさずに向かうことができた。
あとはこの失敗、後悔をこの1年でどのようにプラスに変えていくことができるか。サッカーで得た経験をサッカーで還元できるのは残りの人生の中でもこの1年だけである。
14年間サッカーをしてきて、ゴールキーパーも今年で9年目となる。それなりに練習をして技術を身に着けてきたのだから、最後はその技術を発揮し去年逃した「2部A昇格」を、そして主将西山を中心に掲げた「2部B無敗優勝」という目標を達成する力になりたい。


新入生へ

新歓シーズンとのことで、入部を決めている人やまだ迷っている人にも、読んでいただければ光栄です。

自分が新入生のときも、上回生として新歓をしているときも「サッカーはしたいけど部活にするか迷っている」や「高校までサッカー部だったけど大学で違うスポーツをするのもありかなー」という声をよく聞いた。
それは新入生なら至極当然の感情である。(むしろ僕のように他の新歓にはほぼ行かず4月中に入部届を出す方がよっぽど異端であると思う)
だから僕はサッカー部についてひと通り説明をした後、必ず「最終的には自分のやりたいことを選択してな」と言うようにしている。
いやいやキーパー少ないのに何をのんきなことをしているんだ、と怒られそうだが、僕としては大学生になってやりたいことがたくさんある中でサッカー部を選んでくれることに意味があると思っている。
(この理由について書くと長くなってしまうのでなんとなくわかってもらえれば幸いです)

そこで、サッカー部に入るか否かで迷っている新入生にひとつ考えてもらいたいことがある。
それは「今までの自分のサッカー人生に後悔はないか」ということである。

中高とサッカー部で厳しい中過ごしてきて、もう十分と考えるのも分からなくはない。
でもどうだろうか。今後の長い人生の中で本気でサッカーをできるチャンスは実はこの大学が最後ではなかろうか。
特にこの阪大サッカー部は高校の顧問の先生のような人は存在しておらず、勝つも負けるも、組織を良くするも悪くするも全て自分たちに権限がある。
そして誇張なしで本当に全員の目の前にチャンスがある。それは試合に出るというチャンスだけでなく、チームの方針やサッカーについての意見など、勝利から逆算して皆で議論し部活を作り上げることができるチャンスという意味でもある。

先にも述べたが、サッカーにおける後悔や経験をサッカーで還元できるのはこの大学生活が最後である。
幸いにもサッカーを本気でしかも人工芝でできる環境は整っている。

一人でも多くの新入生が入部してくれることを願っています。





ゴールキーパーとして大切なことはもちろんたくさんあるのだが、その中でも僕は2つのことを特に意識している。

それは「頭で守備をする」こと、そして「準備」である。

1つ目の「頭で守備をする」ということについて。
一応言っておくと、手を使わずにキーパーをするという意味ではない。
これは守備の理屈を理解するということである。

ゴールキーパーというポジションの特性上、相手のプレーに合わせてプレーをすることがほとんどである。
しかし、考え方1つで相手のプレーの選択肢を大きく減らすことができる。

ポジショニングを例に挙げる。

サッカーのゴールは横7.32m、高さ2.44mである。しかし、この大きさのゴールを守らなければならないのは全てのプレーの中でPKの時だけなのである。
どういうことなのか。簡単に言えば前に出れば横の守備範囲が狭くなるということである。

図1を見てもらえれば①地点と②地点の横の守備範囲の差は一目瞭然であろう。
図1











次に図2と図3、これらは立つ位置は同じだが体の向きが違う。そしてその体の向きにより図2に比べ図3の方が守備範囲が狭いといえる。(手書きなので正確なポジショニングからはズレてしまっています)
図2
図3



図で説明してみたが、このことを言葉で説明すると「ボールに正対する」となる。
実際にフォワード目線で見てみるとこの体の向きで見え方が変わるのがよくわかる。
これらをまとめると、キーパーは立ち位置と体の向きを常に正しくできれば、自分が守るべきゴールは7.32×2.44のゴールより小さいものになる。すなわち相手のシュートコースを狭めることができるといえる。
(もちろん、前に出ればその分シュートも早く自分のところへ到達し、また頭上のコースを空けることになるため、自分の特徴に合わせて変えていく必要はある)

そして、「この正しい立ち位置と体の向きをとるためにはどのような能力が必要なのだろうか。」「その能力を身に着けるためにはどのような練習が必要なのだろうか。」こう考えていけば練習は自ずと充実したものになっていくだろう。

他のプレーに関しても同様に理屈を理解し、それを実行するために必要な能力を揃えていく、これこそが上手くなるということだと僕は思っている。
ただし、強くなるためにはこれだけでは不十分である。自分の中の基準が2部Bレベルのうちは2部Aに昇格したとしてもそこで闘うことはできない。これに関しては僕の高校時代のチームメイトで東京大学ア式蹴球部の工藤航君が東大の部員ブログにて綴っていたので、もしよければそちらも読んでみて貰えれば幸いです。
feelings「大切なことはすべてサッカーが教えてくれた」


2つ目の「準備」について。

先ほど例に挙げたポジショニングの理屈を理解したとする。
しかし、実際は状況は絶えず変化する。
仮に正しいポジションをとれたとしてもシュートが飛んできてからでは手遅れである。

そこで重要になってくるのが「準備」である。

現代のサッカーではキーパーにリベロとしての役割も求められていることは、多くの方がご存じであると思う。
しかしこのリベロの働きを意識するがあまり、肝心のゴールを空けてしまっては元も子もない。(天理戦のミスはこのことが抜けていたから生まれた)

「シュートが飛んでくるところから逆算して、自分が正しいポジションをとれる範囲でリベロの仕事をする。」
「ボールが動いているときも、常に正しいポジションに正しい姿勢で立ち続ける。」

こういった頭の整理こそが「準備」であると僕は思っている。

では頭の整理、思考回路の整理はいつするのか。
答えは簡単だろう。「練習」である。

このブログの最初の話で「ミスを犯すことに対して納得されない人間」というワードを出したのだが、正直自分が365日いつも謙虚さを欠いているとは思っていない。もし仮にそうだとしたらおそらく2部Bリーグで闘うことなど到底不可能であろう。ただ大きなミスを犯すこととこの「準備」が不足していることは、少なくとも僕にとっては密接に関係している。そして「準備」を怠っているときというのは、だいたい謙虚さを欠いている。

大学生にもなってまだそんな低レベルなことを言っているのかと思われるかもしれないが、これが今の自分の現状であることに間違いはない。サッカー人生の集大成としてこの1年を謙虚に過ごしたい。


最後に、今阪大サッカー部全体のメンタリティは限りなく2部Aに近い状態であると感じている。しかし、2部Bリーグの恐ろしさを忘れてしまってはならない。あの3部降格の瞬間をグラウンドで迎えたのももうこのチームで僕1人になってしまった。正直今の練習の雰囲気からは2部B無敗優勝の気配を感じることはできない。リーグ開幕まで残り6日。就活や院試、新歓で浮足立ってしまいがちだが、僕ら4回生は1日たりとも無駄にできないはずである。負けてからでは遅い。気を引き締めていこう。

ここまで読んでくださった方々へ、長々とすみませんでした。そしてありがとうございました。


気が付いたら実験レポートみたいになっていた。理系の闇である。

4回生 檜枝賢護

2017年4月6日木曜日

マネージャーを考える新入生へ 4年マネージャー 横川京香

背番号順に回ってくると聞いていた部員ブログ。54番の私は計算すると5月中旬のはずで、ゴールデンウィークを過ぎたら原稿を考えようなどと余裕ぶっていたので、マネージャー勧誘の為に1ヶ月以上前倒して書くことになってしまって正直焦っています。
私がこの時期に当てられたことを考慮して、新入生に向けてマネージャーの仕事ややりがいについて書いていこうと思います。しかし小学生の頃から読書感想文も人権作文も母がゴーストライターだった為、文章力が育つことなく21歳になってしまい、まとまりのない文章になるかと思いますが、最後まで読んでいただけたら幸いです。


マネージャーの仕事は、プレーヤーの負担を減らすことです。プレーヤーがより良い環境、状態でサッカーに集中出来るようにサポートする責任があります。

具体的にどんなことをしているのかと言うと、選手が練習中や試合中に飲む水の準備、タイムキープやボール拾いなどの練習補助、怪我人1人1人に合わせたテーピング、公式試合の運営、twitterやマネージャーブログといったSNS管理…などなど、仕事は幅広く、頭を使うことばかりで最初は覚えることで精一杯だったように思います。

水の準備ひとつをとっても、ただ水を用意すればいいわけではなくて、夏は選手が水を飲む量が増えてすぐにボトルが空になるし、日差しや地面からの熱でぬるくなるので、こまめに補充したり気温によって氷の数を調節したり、プレーヤーに対してよりベストに近い環境を提供出来るように常に模索しています。

最初は1つ1つの仕事だけに目を向けていたのが、ある程度仕事に慣れて来て周りを見る余裕が出来ると気付けることも増えてきて、そこで何が必要か考えることがさらに1つ上のサポートに繋がります。
そうやってプレーヤーと一緒に自分もレベルアップしていけることが自分のモチベーションになるし、マネージャーのやりがいだと思っています。

私は4回生なので残された時間は長くありませんが、もっともっとみんなの為に出来ることがあると思うし、きっと自分にしか出来ないこともあると信じて、引退する最後の瞬間までレベルアップすることをやめずに、あと半年間、頭と体を最大限に使ってみんなと走り抜きたいと思っています。

最後に、新入生のみなさんがマネージャーとしてサッカー部に入る決断する上で1番の不安要素となるのが週5の練習だと思うので、そのことについて少し書いておきたいと思います。週5日も部活をして、勉強やバイトと両立できるのか。遊ぶ時間はあるのか。
私の場合ですが、両立は出来ると思います。私はどちらかというと怠ける側の人間ですが、単位も問題なく取れているし、バイトもちょうど良く入れているので、普通に生活していれば部活が勉強やバイトに支障を出すことはほぼないと思います。
次に、遊ぶ時間があるかというのは、正直微妙です。夜ご飯を食べに行ったり、休日を使ってどこかに出掛けたりすることは出来ますが、基本的には月木がオフで、連続した休みがお盆と年末年始、合宿明けくらいしかないので、部活に入っていない人のように自由に帰省したり旅行に行ったりすることは難しいです。
しかしそれで部活がいやになったことはありません。帰省や旅行が出来ないことなんてどうでもよくなるくらい、毎日が充実しているからです。
サッカーが好きで始めたマネージャーも、気付けばサッカーというよりサッカー部のみんなが好きという気持ちが頑張る原動力になっていて、うまくいかないことがあっても、みんなと過ごす時間が楽しくて愛おしくて乗り越えていけます。

きっと人それぞれ色々な不安を抱えて入部すると思うけど、1年経つ頃にはサッカー部が大好きになっていて、そんな仲間と4年間を過ごせることが楽しくて仕方なくなっていると思います。
ほんとかな、と思う人は是非1度練習や公式戦を見に来てサッカー部の雰囲気を体感して下さい!

最後の学生生活、私達と一緒に本気で過ごしましょう!!


2017年4月3日月曜日

新入生に向けて 副主将 渡辺樹

OB、OG、保護者の方々、平素より大変お世話になっております。
そして、新入生の皆さんご入学おめでとうございます。
今回部員ブログを担当させていただく基礎工学部4回の渡邉樹と申します。
拙い文章ではありますが、最後までお読みいただき、本サッカー部への入部を検討される方が一人でも増えれば幸いです。

さて、新入生の皆さんはこれからの4年間をどのように過ごしていきたいと思われているでしょうか?

・部活でアツい4年間を過ごす
・サークルでゆるく、楽しく過ごす
・バイトでお金を貯めて旅行に行く
・海外へ留学に行く
・館下食堂で天麻を食べながら大富豪をした後に、コンビニで男気じゃんけんをする
・etc…

今回は数多い選択肢の中でも、部活動を選んだ理由や、部活動を選んで良かったことなどを書かせていただきたいと思います。
まず、自分がサッカー部を選んだ理由についてですが、その前に自分が大学に入る前まで遡ってお話しさせていただきたいと思います。

私は、生まれてから高校を卒業するまで、福井でも、シベリアでも、モンゴルでもなく京都府の峰山という所で育ちました。当時通っていた高校はサッカーの強豪校でもなく、いわゆる普通の公立高校で、私は現役で大学に入学する予定でした。しかしその年のセンター試験で、「刀の鍔」や「スピンスピン」といった問題が出てきた結果、68/200という前代未聞の点数を叩き出し、1年間の浪人を経て、大阪大学に入学しました。

大学に入学した際、浪人ということもあり、サークルでゆるくやるのもいいな、と考えていましたが、先日部員ブログを書いた速水同様、自分も高校時代納得した形でサッカーを終えられなかった事、毎週土日には、はるばる峰山から応援しに来てくれる親にサッカーしている姿を見せて喜ばせたいとの思いからサッカー部に入部する事を決めました。

サッカー部に入部してからは、
小、中、高のサッカー部とは違い、練習場所から練習メニュー、試合のメンバーに至るまで全て部員が主体となって決定する環境で、苦しみながらも充実した日々を送る事が出来ていると感じています。
そして大学で苦楽を共にし、この先一生付き合って行くことになるであろう仲間が出来たことは自分にとって本当に貴重なものであり、サッカー部に入って良かったなと感じています。

最後に
昨年、関西学生リーグにおいて阪大サッカー部としては歴代最高の成績を残すことが出来ました。しかし結果は入れ替え戦での歴史的敗北であり、決して満足できる結果ではなかったと思います。
今シーズン、阪大サッカー部は「無敗優勝」を目標に掲げ、1年間戦っていきます。
OB、OG、保護者の方々の中には無理だと思われる方がいらっしゃると思います。しかし、自分たちは本気です。傍からみて無謀だと感じる目標を本当に達成したいと思っています。苦しいシーズンになるかもしれませんが、1年間応援よろしくお願い致します。
そして新入生の皆さん、少しでもサッカー部に興味があるなら、一度練習に来てほしいです。そこで自分たちのアツさだったり、本気度を感じて一緒に戦ってくれる仲間を待っています。
部員ブログを書きながら、改めて自分にはセンター68点の国語力しかないなと感じる渡邉でした。


大阪大学体育会サッカー部
副将
渡邉 樹